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旧ブログ「オガのスキメシ日記」

ゴーストライターのオガワが好きなことでメシを食うための方法を徹底解説

【第二話】閉所恐怖症のトラウマを越えて(小川少年の就活事件簿)

▼過去記事

 【第一話】 ヒッチハイクで東京へ!A社の人事、むっちゃ可愛いらしいで。

 

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誰にでも、人には言えない

“苦手なもの”が一つや二つはあると思う。

 

 

私はおそらく閉所恐怖症だ。

 

 

昔から暗くて狭いところが

とても苦手である。

 

 

その理由はハッキリしている。

 

 

私が幼い頃、

4歳年上の兄が私に布団を被せて

イジメてきたことが原因だ。

 

 

布団を被せられた私は、

兄に上から乗られて

身動きが取れずに閉じ込められた。

 

 

4歳年上だと体格も雲泥の差である。

 

 

布団を被せられた私は、

暗闇と閉所と兄の体重で

非常に怖い思いをした。

 

 

おそらくそのトラウマで

私は暗くて狭いところが

とても苦手なのだと思う。

 

 

今回、私はヒッチハイク

札幌から東京を目指すことにしたが、

長万部という町で足止めを

くらってしまった。

 

 

ヒッチハイクをしても

なかなか車に乗せてもらえることができず、

辺りは徐々に暗くなり始めていた。

 

 

暗闇の恐怖が襲ってくる。

 

 

初めてくるところで、

全く土地勘もない。

 

 

ヒッチハイクを続けるが

一向に乗せてくれる車が

現れる気配もない。

 

 

私は不安な気持ちを抱えながら

ヒッチハイクを続けるのだった。

 

 

 

◆諦めかけていたその時

 

「やばい、全然停まってくれない」

 

 

もう諦めかけていたその時だった。

 

 

なんと、一台の車が私の前に停車して、

 

「乗っていきます?」

 

と声をかけてくれたのだ。

 

 

か、神が現れた。

 

 

私は内心半泣きになりながら

心優しき男性の車に乗り込んだ。

 

 

この時の安堵感と言ったら

言葉で表現できない。

 

 

その方はちょうど函館に

向かう最中だったようで、

 

 

私がヒッチハイクしている様子を見て、

わざわざUターンして

戻ってきてくれたのだ。

 

 

なんて良い人なんだ…

 

 

世の中捨てたもんじゃないな。

 

 

普通は見過ごしても良いのに、

わざわざ赤の他人を

車に乗せてくれるのだ。

 

 

しかも、乗せてくれる人は

基本的に良い人ばかりだ。

 

 

良心が無ければ、赤の他人を

車に乗せようとは思わないだろう。

 

 

私はヒッチハイクで多くの方の

優しさに触れて感動していた。

 

 

こうして私はギリギリのところで

函館行きの車に乗せてもらうことが

できたのだった。

 

 

危機を脱して、心底ホッとしていた。

 

 

函館にいる友人に連絡をして

「3時間後くらいに着きそう」

と伝えた。

 

 

1日目最後のヒッチハイク

成功した私は、心優しき男性と

函館を目指すのだった。

 

 

 

◆函館到着!友人の歓迎!

 

5台目の車で無事に函館に到着し、

友人と合流することができた。

 

 

「小川ちゃん、本当にヒッチハイク

函館まで来たんだね」

 

と言われ、私は自慢げに

 

「もちろん!」

 

と答えた。

 

 

完全な他力本願で函館に着いたのに、

自分が偉業を成したかのような

達成感に酔いしれた。

 

 

男性であれば、一度はヒッチハイク

チャレンジしても良いと思う。

 

 

私はヒッチハイク

想像以上の価値を感じた。

 

 

その夜は、久しぶりに会う友人と

昔話で盛り上がるのだった。

 

 

その友人は、私のビジネスの師匠が

開催していたビジネス塾で

共に学んだ仲間だ。

 

 

話も合うし、楽しいひと時を過ごせた。

 

 

こうして函館の夜は更けていくのだった。

 

 

 

ヒッチハイク2日目『フェリーで挙動不審になる』

 

翌日。

 

私は早朝のフェリーに乗って、

青森を目指すことにした。

 

 

青森からヒッチハイクで東京を目指す。

できれば今日中に東京に着きたい。

 

 

東京方面にいる友人と交渉した結果、

数日間泊まってもいいと言ってくれたので、

無事に寝床も確保することができた。

 

 

これは有り難い。

 

 

フェリー乗り場までは友人に送ってもらい、

二日目のヒッチハイク計画がスタートした。

 

 

一日目を無事にクリアした成功体験から

二日目も問題なく目的地に着けると思っていた。

 

 

ヒッチハイカーY.Tに、

 

「フェリーに乗っている

長距離トラックの運転手に

交渉して乗せてもらうと良い」

 

 

とアドバイスをもらっていたので、

その作戦を実行することにした。

 

 

フェリーで長距離トラックの運転手や

高速道路で関東方面を目指す車を

つかまえることができれば、

一気に距離を稼ぐことができる。

 

 

「これは普通のヒッチハイクより簡単だな」

 

 

私はフェリーでのヒッチハイク

簡単に成功できると思っていた。

 

 

なぜなら、フェリーには

長時間乗っているのだから、

多くの方に話しかけることができる。

 

 

話せる時間がたっぷりあれば

確実に乗せてくれる車を

つかまえることができると

踏んで(ふんで)いたのだ。

 

 

早速私はフェリーの中をうろつき、

長距離運転手と思われる人を探した。

 

 

しかし、フェリーは私が想像していたのとは

かなり違う環境になっていた。

 

 

まず、乗客がくつろぐことができる

ソファースペースの目の前には受付がある。

 

 

従業員が目を光らせているため

むやみやたらに話しかけることができない。

 

 

一般乗客が寝ることのできる

畳の部屋に移動してみたが、

そこにトラックの運転手の姿は皆無であった。

 

 

どうやら長距離トラックの運転手は、

トラックの中や専用のベットルームで

寝ているようだ。

 

 

一般のお客さんとは

接点が少ないところにいる。

 

 

そして、トラックがあるところは

一般人は立ち入り禁止になっている。

 

 

私の交渉は暗礁に乗り上げてしまった。

 

 

んー、どうしたものか。

 

 

すると、トラックの運転手と

思われる風貌の人が、

シャワー室から出てきた。

 

 

「ん?あの人、トラックの運転手っぽいな」

 

 

完全な勘であったが、

ガテン系の雰囲気を漂わせていた。

 

 

「トラックの運転手に違いない!

よしっ、あの人に声をかけてみよう」

 

 

勇気を出して声をかけようと思ったが、

足早にトラックが積んであるところに

行ってしまい、声をかけるタイミングを

失ってしまった。

 

 

あ~、タイミングを逃した。

 

 

このままでは、

車をつかまえることができず、

フェリーを降りなければいけなくなる。

 

 

そうなると、非常に厳しい。

 

 

青森から東京までの距離を考えると、

高速道路を使って移動することが

重要になってくる。

 

 

フェリーでそれができなければ、

本日中に東京に着くのは

難しくなるだろう。

 

 

一気に時間をロスしてしまう。

 

 

もうこうなったら…

 

 

やけになった私は、

思い切った行動に出た。

 

 

もう時効だと思うので話すが、

私はこっそりとトラックが

乗り込んでいるところに忍び込んだ。

 

※注意:これは真似しちゃダメです

 

 

トラックが乗り込んでいるところは、

私が想像していたよりも広いスペースであった。

 

 

「おー!広い!」

 

 

沢山のトラックと車がフェリーに乗り込んでいる。

こんな光景は生まれて初めて見る。

 

 

トラックを見まわしていくと、

窓にカーテンをして外から

見えないようになっているトラックが

かなりの割合であった。

 

 

おそらく中で寝ているのだろう。

 

 

さすがにカーテンをしているトラックに

ノックをする勇気はない。

 

 

 

寝ているところを起こされたら

誰でも気分は良くない。

 

 

私は外から見て、確実に起きている人に

順番に声をかけていった。

 

 

「すみません、ヒッチハイクで東京を目指しているんですけど、

乗せて頂けませんか?」

 

 

声をかけられた運転手からすると

 

「なんだ?こいつ」

 

という状態だったと思う。

 

 

何人も運転手に断わられたが、

ついに「乗せてあげるよ」と

言ってくれる人が現れた。

 

 

長距離トラックではなかったが、

高速を使って仙台近くまで行くとのことだ。

 

 

途中のパーキングエリアで

降ろしてくれることになった。

 

 

とてもありがたい。

 

 

高速で移動できるだけでも

大きなメリットがある。

 

 

こうして私は、フェリーの中で

ヒッチハイクに成功したのだった。

 

 

※注意:これは真似しちゃダメですよ。

 

 

 

◆二日目も足止め、迫りくる暗闇

 

フェリーから乗せてくれた方に

パーキングエリアで降ろしてもらった。

 

 

そこから順調に二台目の車を

つかまえることができ、

私は仙台のパーキングエリアまで

着くことができた。

 

 

しかし、高速道路で移動したと言っても

青森から仙台まではかなりの距離がある。

 

 

仙台に着いた時には、18時を回っていた。

 

 

「思ったより遅くなってしまったな」

 

 

辺りも暗くなってきて、

パーキングエリアの車も

どんどん少なくなっていった。

 

 

私は急いで乗せてくれる車を探した。

 

 

しかしここにきて、またもや交渉は

暗礁に乗り上げてしまった。

 

 

話しかける人に、

ことごとく断られていった。

 

 

逆の立場で考えてみたが、

乗せる方も暗闇で声をかけてくる人は

必然的に怪しく見えてしまうのだろう。

 

 

暗闇で見知らぬ男に声をかけられたら、

そりゃ誰だって警戒してしまう。

 

 

辺りが暗くなり、ヒッチハイク

成功率が大きく下がってしまった。

 

 

ここまで来たら数を当たるしかない。

 

 

しかし、パーキングエリアに停まっている

車自体も非常に少なくなっていった。

 

 

またかよ…

かなりやばいな。

 

 

このままでは、高速道路の

パーキングエリアで朝を迎えることになる。

 

 

できれば、いや絶対にそれは避けたい。

 

 

不安な気持ちになりながら、

車のナンバープレートをチェックしていった。

 

 

すると…

 

「品川ナンバーの車だ」

 

 

私は品川ナンバーの車を見つけた。

 

 

この車に乗せてもらえれば、

高確率で東京まで行くことができる。

 

 

もうこれに賭けるしかない。

 

 

私は品川ナンバーの車の前で

運転手が帰ってくるのを待った。

 

 

 

◆品川ナンバーの車と交渉!その結果は…

 

品川ナンバーの運転手が

車に戻ってきた。

 

 

よし、交渉しよう。

 

 

私は意気込んで運転手に向かったが、

正直、めちゃめちゃ不安だった。

 

 

この交渉に失敗すると、状況から考えても

東京に着くのは難しくなる。

 

 

運転手がヒッチハイクに応じてくれることと、

目的地が関東方面である必要がある。

 

 

私は一縷の望みをかけて、

運転手に話しかけた。

 

 

小川 : あの、すみません

 

 

運転手 : はい?

 

 

小川 : 実は、私、北海道の大学生なんですけど。これから東京で就職活動をするために、ヒッチハイクで東京を目指しておりまして。もしご迷惑で無ければ、途中まで乗せて頂くことはできないでしょうか?

 

 

要点をまとめて、できるだけ

分かりやすく話すように努めた。

 

あー、どんな返答をしてくるのか…

 

 

運転手 : …

 

 

運転手は少し考えている様子だった。

 

 

 

ドクンッ

 

 

ドクンッ

 

 

 

神様、頼む!

 

 

 

運転手 : 分かりました。いいですよ。

 

 

 

 

うおー!

 

やったーー!!

 

 

 

この窮地で、またしても

乗せてくれる車が現れた。

 

 

本当にありがたい。

感謝の気持ちしかない。

 

 

あー、本当に良かった。

おかげで不安な気持ちも吹き飛んだ。

 

 

こうして私は、東京に行きの

ヒッチハイクを成功させることができた。

 

 

乗せてくださった方は、

東京でシステムエンジニアをしている

男性だった。

 

 

ちょうど東北の実家からの帰りで、

仙台のパーキングエリアで

休んでいたらしい。

 

 

しかし、仙台から一気に東京まで

乗せてくれる方に出会えるなんて

運が良いとしか言えない。

 

 

乗せてくださった方は、

明るくてノリが良いというよりは、

落ち着いていて淡々と話をする方で、

とても知的な印象を受けた。

 

 

何はともあれ、私は東北を脱出し、

目的地の東京まで一気に南下していった。

 

 

そして…

 

 

23時50分。

東京の北区に到着した。

 

 

札幌でヒッチハイクを開始して、

約36時間で東京着くことが

できたのだった。

 

 

ヒッチハイクで乗り継いだ車は、

計8台。

 

 

正直、かなり大変だったが

ヒッチハイクをやって良かったと思った。

 

 

見知らぬ自分を遠くの場所まで乗せてくれて、

さらに、ジュースをご馳走してくれる方もいたし、

ご飯を奢ってあげるよと言ってくれた方もいた。

 

 

人々の優しさに触れて、

日本ってこんなに優しい人が

沢山いたんだと実感した。

 

 

東京に着いた時は、

達成感と乗せてくださった方への

感謝の気持ちで泣きそうになった。

 

 

人との繋がりというのは、

本当に大切なものだと感じた。

 

 

ヒッチハイクのために買ったスケッチブック、

 

600円。

 

 

スケッチブックに大きな字を

書くために買ったサインペン、

 

250円。

 

 

函館から青森までのフェリー代(当時の料金)、

 

1670円。

 

 

 

ヒッチハイクでもらった優しさ…

 

 

プライスレス。

 

 

 

こうして東京に着いた私は、

いよいよ本格的に就職活動を

スタートすることになった。

 

 

しかし、

 

東京での就職活動では、

私の人生観を変えるほどの

大きな試練が待ち受けていたのだが、

この時の私は、知る由もなかった。

 

 

 

  

 

つづく

 

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