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旧ブログ「オガのスキメシ日記」

ゴーストライターのオガワが好きなことでメシを食うための方法を徹底解説

【第三話】これは恋!?(小川少年の就活事件簿)

▼過去記事一覧

 

【第一話】 ヒッチハイクで東京へ!A社の人事、むっちゃ可愛いらしいで。

【第一話】 ヒッチハイクで東京へ!A社の人事、むっちゃ可愛いらしいで(小川少年の就活事件簿) - オガの好きメシ日記

 

【第二話】閉所恐怖症のトラウマを越えて。

【第二話】閉所恐怖症のトラウマを越えて(小川少年の就活事件簿) - オガの好きメシ日記

 

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2008年4月15日(火)12時頃。


アツく・・・


なった。



血が・・・

たぎった。

 

 

ヒッチハイクで東京に到着し、

本格的にスタートした就職活動。

 

 

私は朝から晩まで選考を受けていた。

 

 

そして、私が第一志望で考えていた

人事がむっちゃ可愛いA社の

選考が行われることになった。

 

 

人材教育のコンサルティング

行っている会社である。

 

 

人事が可愛いという入口はあったものの、

コンサルタントという仕事には

少なからず興味を持っていた。

 

 

コンサルタントは専門家や

相談役というポジションで仕事をする。

 

 

完全にイメージだが、

「格好いい」というプラスの印象であった。

 

 

専門家や相談役というくらいなので、

相応の知恵、スキルが求められる。

 

 

コンサルタントは自分自身が商品なので、

自分を磨いていかなければ、高い価値で

買って頂くことは到底できない。

 

 

自分自身を磨き続けるという刺激的な

仕事のコンサルタント

 

これは楽しそうである。


そしていよいよ、

A社の就職説明会が行われる

会場に足を運ぶことになった。

 

 

会場に到着すると、

美人の女性が受付で対応していた。

 

 

おそらくこの女性が、友人Hが言っていた

「むっちゃ可愛い人事」なのであろう。

 

 

話で聞いた通りである。

確かに美人だ。

 

 

私は美人の人事に癒されながら、

説明会の席に着いた。

 

 

さて、A社では

どのような選考が行われるのか。

 

 

おそらく前半で大まかな会社説明を聴いて、

そこから選考内容が伝えられるのだろう。

 

 

グループディスカッションを行うのかな、

と私は予想していた。

 

 

しかし、A社の選考内容は

私の予想を大きく覆すものであった。

 

 

一通り会社の説明も終わり、

いよいよ選考内容が発表されることになった。

 

 

「この度は、弊社の説明会に

ご参加いただきありがとうございます。

 

これから一次選考の内容を発表します。

 

おそらく、一次選考の内容を聞いただけで、

かなりの方が諦めてしまうと思います。

 

そして実際に選考を突破する方も

かなり少ないと思います」

 

 

司会の方は、このように話を切り出した。

 

 

なんかいきなり脅されてるんですけど。

そんなことを言われたらビビッてしまう。

 

 

「では、一次選考の内容を発表します。

 

明日の昼12時までに、

今回の選考を応援してくれる

99人の方からエール(応援メッセージ)を

集めてきてください。

 

例えばお友達に、

 

『自分はA社という会社の選考を受けている。

すごく面白い会社で自分も本気で入りたいと

思っているから応援してほしい。エールを貰えないか』

 

このようにお友達や知人に、

弊社に入りたいという旨のプレゼンをして

エールを貰ってください。

 

今は昼の12時なので、

制限時間は約24時間です。

 

制限時間内に99人分のエールを

集められなければ次の選考に

進むことはできません」

 

 

 

24時間以内に、99人の人から

エールを集めてくるだと!?

 

 

なんだ、その選考は!?

こんな選考をする会社は初めてである。

 

 

選考内容からも、

ぶっ飛んでいる会社なのは

容易に想像がついた。

 

 

24時間以内とかトゥエンティフォーか!

(当時流行っていた)

 

 

 

しかも選考にはいくつかルールがあった。

 

 

「エールを集めるにあたり、

いくつか守って頂きたいルールがあります。


1.自分で直接(電話も可)話をした人でなければエールは受け取ってはいけない。 


よって、メールで知り合いに一斉送信したり、

ねずみ算式に声をかけてもらってはいけない。

 

部活のメンバーなど大勢の前で

プレゼンして一気に集めるのもNG。

 

基本1対1のプレゼンを行うこと。


2.本当にエールをもらったか証拠が必要。 


直接エールをもらったならサイン、 
電話ならメールやボイスレコーダー
証拠が残るようにする。 



3.人様のご迷惑になる方法で集めてはいけない。 


4.20名集めるごとに会社に報告する。 

 

 

これらのルールを守って

エールを集めてください。

 

そして99人集めたら、この会場に来て頂いて

人事の前でプレゼンをして頂きます。

 

プレゼンを聴いて人事の心が動き、

人事100人目のエールをくれたら

一次選考は合格です」

 

 

 

なるほど。

24時間以内に99人からエールを集め、

最後に人事の前でプレゼンし、

100人目のエールをもらうと。

 

 

それができて、

ようやく一次選考突破か。

 

 

すごい選考だな。

こんなの他の会社ではやっていないだろう。

 

 

今回の選考について推測すると、目標達成能力と

「お前はうちの会社にどれだけ本気で入りたいんだ?」

というやる気を見られている気がするな。

 

 

一般的な選考に飽き飽きしていた私は、

思わずテンションが上がってしまった。

 

 

そして、人事の方から“ある用紙”が配られた。

エールをもらうための記入用紙である。

 

 

エールをもらう方法は2つ。

 

 

まずは配られた記入用紙に

直接書いてもらう。

 

 

もしくは、

ボイスレコーダーやメールでエールを

送ってもらった上で、自分で記入用紙に

書き写すという二通りであった。

 

 

わざわざ自分で記入用紙に

書き写す手間を考えたら、

直接書いてもらう方が格段に早い。

 

 

選考を辞退する人もいたようである。

確かに本気にならないと達成できない内容だ。

 

 

一般的な選考よりも

難易度は高いと思われるが

とても面白そうな選考である。

 

 

久しぶりに血がたぎっている。

こうなった私は誰にも止められない。

 

 

こうして私の第一志望の

会社の選考はスタートした。

 

 

鳴り響いたゴング

(実際はまったく鳴り響いていません。私の頭の中の話です)

 

 

そして、説明会に参加していた学生が、

「エールをもらうのは誰でもいいのですか?」

と質問をしていた。

 

 

それに対して「いいですよ」と

人事からの返答があった。

 

 

それを聞いた私は、

早速ある行動を起こした。

 

 

あろうことか、説明会会場にいる

A社の人事責任者のKさんに声をかけ、

「エールをください」とプレゼンをしたのだ。

 

 

今考えると、

相当むちゃくちゃな行動である。

 

 

エールを集めてこいと言っている人事の方に、
「エールをください」と言っているのだから。

 

 

当然だが、なかなかエールをくれない。

 

 

人事の責任者だから、

「何でそんなにうちに入りたいの?」と

ズバズバ突っ込んで質問をしてくる。

 

 

やばい。

 

「人事が可愛いと聞いたから説明会に来ました」

なんて言えない。

 

 

どうすればいい…

 

 

んー、こうなったら!

 

 

「自分が一番最初に

99人分エールを集めて戻ってきます。

 

だから、一番最初のエールを自分にください!」

 

 

勢い余って

とんでもないことを口走ってしまった。

 

「分かった、その言葉を信じるよ。頑張って!」

 

 

やってしまった…

 

 

この瞬間、私はトップで99人分の

エールを集めてくるという使命が課せられた。

 

 

会場にはおそらく50~60名の

学生がいたと記憶している。



魚を釣るのはフィッシング。 

グローブで殴るのはボクシング。 

剣で突くのはフェイシング。 

そして、逃げ道はナッシング・・・

 

その結果、午後から控えている

他社の選考会をすべてキャンセルすることになった。

 

 

向こう見ずで突進型の性格が

モロに現れてしまった。

 

 

一次選考ではトップを取るしかない。

 

 

とは言うものの、状況はかなり厳しい。

 

 

なぜなら、私は大学を休学していたので、

同級生はすでに働いている。

 

 

友人に電話をしてエールを貰おうとしても

おそらく出てくれる確率は低いだろう。

 

 

さて、どうしたものか。

 

 

考えもまとまらないまま、

私は説明会会場から外に出た。

 

 

すると・・・

 

 

あっ、思いついた。

 

 

外に出て辺りを見渡すと

オフィス街がある。

 

 

なんだ、簡単な話だ。

 

 

この辺りのビルにいる人に

エールをもらえばいいじゃないか。

 

結果、私が取った行動は、
『飛び込み営業』である。

 

 

いや、営業というほどでもない。

『エールをもらうだけ』なのだから。

 

 

こうして私は辺りのビルの入り、

会社に飛び込みまくった。

 

 

リクルートスーツで会社に入れば、

「営業か?」と思われる。

 

 

そこで私は、

 

「あっ、営業ではありません。

札幌から就職活動で来ている学生です。

 

A社という会社の選考で、

99人の方からエールをもらう

という選考をやっておりまして。

 

私、A社に入りたいので

応援メッセージを書いて頂けませんか?」

 

 

というトークで話を切り出した。

何とも図々しい学生である。

 

すると、想像以上に多くの方が

協力をしてくださった。

 

 

もちろん断られることもあったし、

 

中には、

「忙しいのになんて非常識な学生だ」

と怒られることもあった。

 

 

仕方がない。

こちらはお願いをしている立場なのだから。

 

 

そして、会社に飛び込みまくった結果・・・

 


8時間で70人のエールを

集めることに成功した。

 

 

東京にも良い人は

沢山いるのだと感動したものだ。

 

 

見知らぬ学生がいきなりお店や会社に入ってきて、

就職活動の選考でエールを集めているから

応援メッセージ書いてくれと言い、

そこで皆さん普通に書いてくれるのだ。

 

本当に感動である。

 


バファリンの半分の優しさなんて

問題にならないレベルだ。



時間は夜の20時。

 

 

このペースでいけば、

今日中に99人のエールを

集めることができるかもしれない。

 

 

しかし、ここで問題が発生した。

 

 

夜になると、帰宅や残業で

バタバタしている会社が増えてきて

断わられる確率も上がってしまった。

 

 

ここにきて大幅な失速。

 


んー、マズイ。

 

 

ここで私は、

最後のカードを切ることにした。

 

 

友人に片っ端から電話をして、 

「エールを送ってくれ」 

とお願いしまくったのである。

 

 

この時間であれば、友人も会社を終えて

電話に出られるはずである。



携帯電話の「あ行」から順番に

電話をかけていった。


こんなお願いするのは初めてだったので、

内心どきどきしていたが、

みんな快く協力してくれた。



中には「周りの友達にも声かけてあげるよ」と

言ってくれる人もいて、感謝の言葉しかない。

 

(選考のルール的にNGなので丁重に断った)


多くの方から協力を頂き、

23時40分に99人分のエールを

無事集めることが出来たのである。

 

早速、人事担当の方に連絡をした。



すると、人事担当のYさんという方が

24時までなら会社にいるということだった。

 

 

現在、23時40分。

 

 

A社まで歩くと10分ほど掛かる。

私は急いでA社に向かった。

 

 

そこで人事担当のYさんに会い、

プレゼンをすることになった。

 

 

プレゼンする会場に入ると、

なぜか社員の方が10人弱座っていた。

 

 

「えっ!?どういうこと?

Yさんだけにプレゼンするんじゃないの??」

 

 

Yさんにプレゼンをして、

簡単に100人目のエールをもらえると

思っていた私は、ハトが豆鉄砲をくらった

心境になってしまった。

 

 

やばい、緊張してきた…

 

 

頭の中が真っ白になり、

何を話したらいいのか分からない。

 

 

もうなるようになれ!

 

 

・・・

 

 

結局、何をしゃべったか

あまり覚えていない。

 

 

ただ、

 

「とにかく成長したいんです!」

 

「もっとアツくなりたいんです!」

 

「多くの人をハッピーにしたいんです!」

 

ということを熱弁したと思う。

 

 

無我夢中だったので、

詳細は本当に思い出せない。

 

 

こうして人事担当者プラス社員10名への

プレゼンが終了した。

 

 

Yさんに「後ろを向いてください」

と指示をされて後ろを向いた。

 

 

「今のプレゼンを聴いて、

ここにいる社員全員が椅子から

立ってくれたら一次選考は合格です。

 

もし一人でも納得してくれない人がいて

椅子に座ったままなら、残念ですが

次の選考に進むことはできません」

 

 

 

ドックン!ドックン!! 

 

 

 

し、心臓が破れてしまう・・・ 

 

 

 

全員ってハードル高くね?
10人近くいるんだぞ。

 

 

 

心境的にはスラムダンクの山王戦の最後、

流川がゴールを決めて山王を逆転した時に、

時間が無くて緊迫して「ドックン!ドックン!」と

リアクションをしている河田(弟)のような感じである。

 

 

 


「それでは、振り返って前を見て下さい!」 

 

 

 



そして・・・

 





パチパチパチ!!!!!!

 

 

 

 

目の前に飛び込んできた光景は、

全員が椅子から立ち上がって

拍手をしてくれている光景だった。

 

 

 

 


・・・合格・・・なのか?

 

 

 

 

 

「一次選考合格おめでとう!!」 

 

 

 

 

人事担当のYさんから

合格を告げる言葉が発せられた。

 

 

 

 

やった…

 

 

 

うおーー!やったぞーー!!

 

 

 

この瞬間、一次選考合格が決まった。

 

 

エールをくださった皆さんに

心から感謝したい。

 

 

大変な一次選考だったが、

本当にエキサイティングな経験ができた。



そして、気になるのは私が何番目に

エールを集め終えたかである。

 

 

果たして私は何位だったのであろうか?

 

 

ルールとして20名エールを集めるごとに、

人事に報告をしていた。

 

 

人事側も誰がどれくらいエールを

集めているか把握をしている。

 

 

人事担当者に確認した順位は…

 

ぶっちぎりの『トップ』である。

 


社員の方も、その日のうちに99人分のエールを

集めてくる学生がいるとは思っていなかったようだ。

 

 

本当はYさんともう一人の採用担当者で、

翌日プレゼンを聴く予定だったらしい。

 

 

しかし、私がもしかしたら今日中にエールを

持ってくるかもしれないということで、
他の社員さんも待ってくれていたのである。

 

 

なんて良い人達なんだろう。

 

 

そのおかげで10名近くの方の前で

プレゼンをすることになったのだが(笑)

 

 

そして、社員さんみんなで、

コブクロの『YELL~エール~』という歌を

私のために歌ってくれた。

 

 

その時、思った。

 

 

この人達と一緒に働きたいと。

 

 

就職活動をしていて、

そのように感じたのは初めてである。

 

これは恋か!?


社員の方とも仲良くなることができ、

人事責任者のKさんとの約束も守ることができた。

 

 

おかげで達成感に包まれながら

一次選考を終えることができたのである。

 

 

しかし、忘れてはいけない。

まだ一次選考を突破したばかりだ。

 

 

達成感に酔いしれていたが、

これから二次選考、三次選考と、

一次選考をはるかに超える試練が

私を待ち受けていた。

 

 

しかしこの時の私は、
まだ知るよしもなかったのである。

 

 

 

・・・

 

・・・

 

 

 

つづく

 

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