好きなことでメシを食う、そんな生き方があってもいいじゃない!

旧ブログ「オガのスキメシ日記」

ゴーストライターのオガワが好きなことでメシを食うための方法を徹底解説

【第七話】20分睡眠の向こう側(小川少年の就活事件簿)

【第一話】 ヒッチハイクで東京へ!A社の人事、むっちゃ可愛いらしいで。
http://ogawa-aikido.hatenadiary.jp/entry/2016/05/10/172405


【第二話】閉所恐怖症のトラウマを越えて。
http://ogawa-aikido.hatenadiary.jp/entry/2016/07/11/174715


【第三話】これは恋!?(小川少年の就活事件簿)
http://ogawa-aikido.hatenadiary.jp/entry/2016/07/15/170713


【第四話】波乱の二次選考(小川少年の就活事件簿)
http://ogawa-aikido.hatenadiary.jp/entry/2016/07/23/091011


【第五話】心臓がリンボーダンス踊ってやがる(小川少年の就活事件簿)
http://ogawa-aikido.hatenadiary.jp/entry/2016/07/24/202927


【第六話】みんなの想いは俺が受け取ったから!!(小川少年の就活事件簿)
http://ogawa-aikido.hatenadiary.jp/entry/2016/09/10/191955

 


==== 本 編 ====

 

次の選考内容。

 

 

それは、

「街に出て100人の夢を聞く」

という内容であった。

 

 

グループを作り街に出て、
10歳未満、10代、20代、30代、
40代、50代、60歳以上。

 

街に繰り出してインタビューし、
各層から10人以上の夢を集め、

トータルで100人の夢を
集めるという内容である。

 

個人が100人ずつ夢を
集める必要があるため、

グループの合計で600人以上の
夢を集めることになる。

 

そして夜19時(20時だったかも)までに
指定された場所まで、集めた夢を持って
グループ全員で集まる。

 

これが次の選考。

 

 

街に出るにあたり、
選考に残った24人で
6人のグループを4つ作った。


そして、
一枚の大きな布(ぬの)と
マジックを渡された。


その布にインタビューした人の
夢を書いてもらい、100人集めた
軌跡を刻んでいくのである。

 


これまた普通はやらないような
選考内容である。


しかも、一泊二日の選考なのだから、
これが終わった後も何かしら
選考があるのだろう。


なかなかハードな選考だと実感する。


まぁ、ここまできたら、
もう驚かないが。

 

 

説明が済んだら、
早速グループごとに街に出て
インタビューが開始された。


私としては飛び込みで
エールをもらった経緯があるので、
今更街に出て夢を聞くなんて
造作もないことである。

 


しかし、ここでも
また壁にぶつかった。

 

それは、

10歳未満の層と
60歳以上の層から

夢をもらうのが
非常に難しいということである。

 

街に出ても、10歳未満の子供が
一人で歩いているのは稀である。


60歳以上の方達は、午前中に
散歩や買い物を済ませるのだろう。


街中で見かけることは少ない。
そもそも出会う確率が低いのである。


その状況で10人以上の夢を
集めなければいけない。

 


グループには6人いるから、
厳密には各年代60人以上と
会わなければいけないことになる。


制限時間と照らし合わせて考えると
容易なことではない。


色々な場所に
移動して夢を集めるが、
容赦なく時間は過ぎていった。

 


刻々と時間は過ぎ、

このままでは、
2分に1人の夢を集めないと
制限時間に間に合わない。


そんな状況まで
追い込まれてしまった。

 

年齢のしばりを考慮すると
もはや無理ゲーである。


10代、20代、30代、40代、
50代の方達と出会うのに
困ることはなかった。

 

しかし、
10歳未満と60歳以上の方とは
全然会うことができない。

 


そして・・・

 


結局、私たちのグループは
100人の夢を集めることができずに
制限時間を迎えてしまった。

 


集合場所に向かわなければならず、
泣く泣く移動することになった。

 


集合場所に到着し、
他のグループとも合流。


空もすっかり暗くなり、
漆黒の闇が辺りを包んでいた。


長時間歩き回ったせいか、
他のグループも疲れた様子だ。

 

全グループが集まったのを確認し、
人事担当者からこれからの選考について
説明を受けることになった。


当然だが、100人の夢を
集めるだけでは終わらない。


次の選考も
しっかりと用意されていた。

 

翌日の選考は、

「社員皆の前でプレゼンをする」

というものであった。

 

どのようなプレゼンを
するのかと言うと、


‐100人の夢を集めて感じたことを踏まえて
 A社が掲げる理念を達成するためには何が必要か?

‐それを24人全員でプレゼンをする
 プレゼンの内容は全員で話し合って決めること

‐プレゼンは夕方にスタートする(時間は失念)

 


なんだか難しそうなプレゼンである。

 

A社は人材教育のための研修やセミナー、
採用コンサルなどを行っている会社である。

 

企業理念は、


「選択理論を基にした、

高品質の人財教育を通して、

顧客の成果の創造に貢献し、


全社員の物心両面の幸福の追求と、

社会の平和と繁栄に

寄与することを目的とします」

 

このような非常に
素晴らしい理念を掲げている。

 

しかし、100人の夢を
集めて感じたこと踏まえて、

A社が理念を達成していくためには
何が必要かを伝えていくなんて、
まるでイメージが湧かない。

 

そもそも、まだ100人の夢を
集め終えていない。


その時点で詰んでいる気がするのだが。

 

・・・・・・

 

一通り説明を終えると、
選考を受けている24人で
宿泊先の部屋に向かうことになった。


大部屋が数室、
24人のために用意されていた。

 

そして、24人全員が一室に集まり、
自己紹介やプレゼンをどうしていくか
話し合うことになった。


全員の自己紹介を終えると、
プレゼンについて話し合いを
することになった。


しかし、全然話がまとまらない。


歩き回ってクタクタだったが、
朝方まで議論は続けられた。

 

話を聞いていくと、
自分達以外の3グループも
ほとんどの人が100人の夢を
集めることができていなかった。


このままでは、夢を集めた
感想なんて伝えられないし、
伝えても説得力は皆無である。

 

そして結局、

「翌日のプレゼンは夕方だから、
プレゼンまで少し時間がある。
まずは100人の夢を集めよう」

という話になった。

 

そりゃ、そうだ。

 

次のプレゼンの前提を考えると、
まず最優先すべきは100人から
夢を集めることである。


話し合いがまとまらなくて、
寝る時間がほとんどなかった。

 

結局、20分ほど仮眠をして
次の日を迎えることになったのである。

 

・・・・・・

 

翌日、朝から全グループで
夢集めの続きを開始した。


苦戦するところも多かったが、
何とか年代の縛りもクリアし、
100人の夢を集めることができた。


そして昼過ぎには、
24人全員が100人の夢を
集めることができたのだった。

 


しかし、プレゼンの準備をする
時間が圧倒的に足りない。


移動時間を考慮すると
現地では1~2時間程度しか
打ち合わせをすることができない。


結局、プレゼン会場に移動しながら、
どのようなプレゼンをするか
話し合うことになった。

 


内心、どうすればいいのか
めちゃめちゃテンパっていた。

 

プレゼン内容も
全然まとまっていない。

 

このままでは、
何も決まらないまま、

何の準備もできないまま、
プレゼンを迎えることになる。

 

それでは死にに
行くようなものである。

 


そこで一度原点に戻り、
考えをまとめることになった。

 

今回のプレゼンの原点。


「それは100人の夢を
 集めた感想を踏まえて」


ということである。

 


実際に100人から夢を集めて
どのようなことに気づいたか?


実は、100人の夢を集めていて
非常に面白いと思ったことがある。

 

それは年代が高くなるにつれて

「夢を抱かなくなる」

ということだ。

 

10歳以下から夢を聞くと、


ウルトラマン

ポケモン


など、妄想全開の夢を
一点の曇りもなく語ってくれる。


語っている本人は、
夢が叶うと本気で信じているため
驚くほどキラキラしている。


それは聞いていて、
とても微笑ましいものだった。

 


しかし、60代以上の方に夢を聞くと、


「夢?そんなの無いよ」

「んー、年金が貰えればそれでいい」

「いいことなんてありゃしないからね」


という返答で、
とても夢とは言えない回答だった。

 

この現実に直面した時、
非常に残念な気持ちになった。

 

60代以上で、

「私、夢が沢山あるのよ」

と言ってくれたのは、
たった一人だけであった。


しかしその方は、
60歳を超えているのに、
とても若々しくキラキラしている。

 

それを見て、

「素敵だな」

と思った。

 

私は60歳以上の方
10人から夢を聞いた。


ということは、
キラキラ夢を語ってくれたのは
10分の1の確率ということになる。

 


10歳以下は全員夢を語り、
60歳以上はたった一人。


若ければ若いほど夢を描くが、
歳を重ねるにつれ夢を描かなくなる。


夢を描いている人ほど、
明るくキラキラしている。

 


これが100人の夢を集めた感想だった。

 

これらの感想を踏まえて、
プレゼンを行うことに決まった。


しかし、あまりに準備時間がなく、
ほぼ『即興劇』に近いプレゼンになった。

 

どのような即興劇かと言うと、


‐子供に夢を聞くシーンを再現

‐夢を聞かれた子供は
 キラキラとして夢を語る


‐そして次にご年配の方に
 夢を聞くシーンを再現

‐ご年配の方は夢は無いと答える
 これが今の日本の現状


‐A社は選択理論という
 考え方をベースに人材教育を行い、
 関わる人の願望実現を応援している

‐つまりA社のビジネスモデルを
 続けた先には、大人も夢を持てる
 社会が実現していく


という流れのプレゼン(即興劇)を行った。

 

練習もほぼ出来ていない。
出たとこ勝負に近い状況。


不安でいっぱいだったが、
24人全員が精いっぱい
自分の役割をやりきった。

 


結果…


プレゼンは大成功!

 

プレゼンを聞いていた社員の方達も

「会社の理念や方向性を理解して、
 ここまでシャープにプレゼンを
 するとは本当に素晴らしい」

と太鼓判を押してくれた。

 

24人全員が、良いものを
創り上げようとした想いが、
社員の方達にも伝わったのだと思う。


うまくいって本当に良かった。


それにしても、
めちゃめちゃ大変な選考だった。

 

一泊二日の選考で
プレッシャーかけられまくって、
20分睡眠で出たとこ勝負のプレゼン。

 

完全にMだろ。

 

しかし、

とても大変な選考だったが、
頑張ってやりきって本当に
良かったと思った。

 

なんか一皮むけた気分だ。
これが『成長』というやつだろうか。

 

ただ、ここで一つ疑問が出てきた。

 

プレゼンは大成功だったが、


「次の選考に進むのはメンバーは?」

 

必死に頑張ってきたからこそ、
非常に気になるところだ。


一体どうやって次の選考に
進める人が選ばれるのだろうか。

 


・・・・・・

 

プレゼンが終わると、
人事担当者と面談をすることになった。


そこで次の選考についても
簡単に説明が行われた。

 


あまり詳しい説明はなかったが、
人事の方が各メンバーの
プレゼンの関わり方を見て、
点数を付けていたようである。


その点数が一定基準以上なら、
次の選考に進めるという
「加点方式」の選考ということだ。


日本の主流である
「減点方式」を取らないのは、
A社らしいと思った。

 


次の選考に進める人を選出するのに、
1週間ほど掛かると言われた。


今回の選考に合格していたとしても、
次の選考が2週間以上先になる。

 

「それだけ期間が空くのだったら
 ひとまず札幌に戻るか」

 

次の選考に進めるか
分からない以上、東京に
滞在していても仕方がない。


正直、次の選考に進めるかは、
よく分からなかった。


手応えはあったが、絶対に
次に進めるという確証はない。

 


もし落選していたら、
もうこんな面白い選考は
できないんだろうな。


そう思うと
少し寂しい気持ちになった。

 

もう他の会社の選考を
全て辞退していたので、
私はA社に受かる以外の
選択肢が残っていなかった。

 

「全力を尽くしたのだ。
 あとは祈るしかない」

 

私はただただ、
次の選考に進めることを祈り、
東京をあとにするのだった。

 

・・・


・・・

 

つづく

 

 

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